ほとんどがゆるやかな丘陵地帯で占められた和歌山県日高郡みなべ町で 昭和20年代に誕生した南高梅。
「南高梅」と命名されたのは昭和40年代に入ってからですが、 たった1本の母樹から接木で増やされ、町内にひろめられました。
同じ南高梅同士だと交配せず、実を結ぶことができないため、 受粉をミツバチに託します。
梅畑のあちこちに置かれた蜂箱へ蜜を運ぶミツバチが、 花から花へ飛び回りながら受粉を行う2月下旬。
そして梅の花が散る頃には小さな梅の実がぶら下がります。
暖かい日差しを浴びながら、梅の実が日一日と大きく成長する3月~5月。
6月になり、大きく育った梅の実がたくさんついた枝は、 その重さで垂れ下がるようになります。いよいよ収穫です。
山腹の斜面にネットを張り、桃のような香りに包まれながら 落ちた梅を拾います。卓球のピンポン球くらいの大きさの梅の実は、 少し力を入れると果肉に指がめり込んでしまうような柔らかさ。
果肉が柔らかくて皮が薄いという南高梅の特徴を生かせる状態で収穫されていきます。