<塩加減を決める>4:00
素肌で感じ、天気を読んで、塩加減を決める。この判断でそうめんの出来のほとんどが決まります。まさに、長年の経験が発揮される時です。
<麺のもとを造る>5:00
厳選した小麦粉と、瀬戸内海の海で出来た塩と、小豆島の霊峰星ヶ城山から流れ落ちる水源を利用して、麺のもとをつくります。
<切り出し、麺の形へ延ばす>6:00
よくこねた麺生地を円筒状に整えて10センチ角に切り出します。切り出した麺帯は、約30kgに分けて桶に蓄えます。次に2つの桶の麺帯を合わせて1本の麺帯にします。太くなったものをまた力を加えて少し薄く延ばしまた桶に取り分けさらに2本を合わせ、また伸ばします。これを4回繰り返すとなんと16層がしっかり詰まった麺帯が出来ます。
<圧延・油がえし>7:00
麺帯を2回ほど圧延すると厚さ2センチになります。これを折りたたみながらまるめて直径5センチのロープ状にして桶に巻き入れます。
次この時、手延べ麺のなめらかな表面を乾燥から守るために、暖めた香ばしいゴマ油を極うすく表面にぬります。(ごま油は抗酸化能力が高く、体にやさしいので使っています。)
さらに2回ほど細くして2センチ径にします。
<撚りをかけ、熟成する(カケバ)>10:00
桶で熟成させ、今度は2本の管に、撚りをかけ(麺にひねりを加えて強くする)。ながら巻きつけていきます。
1本当り約90筋、約1000本。このころには太さは5ミリほどになっています。1日ぶんの管を掛け終わると、もう10時です。
麺をかけた管は乾燥しないように密閉し湿り気を与えた大きな箱の中に一本一本とつるして保管。また熟成を待ちます。
<少し伸ばして、再び熟成(こびき)>11:00
次は、管を20センチから50センチほどに手で感覚を確かめながら、引いておきます。1度に細くすると切れるので、あらかじめ少し伸ばしておくのです。さらに1時間ほどで熟成が進み、箸分け工程に進みます。
<箸わけをします>12:00
管を延ばし機に止め、麺を引き伸ばしながら、麺どうしが交差してくっついているのを2本の箸でさばいて細い1本の麺に仕上げます。50センチの麺が約2メートルまでになり、細く輝くような素麺やうどんになります。1台の機に90本ほど付け終えると天日にさらすために庭にならべます。太陽の光を浴び、風味を増しながらゆっくりと完成に近づきます。工場では、この工程を体験していただけます。
もうお昼過ぎ、お昼はそうめんを茹でます。もともち食感の生そうめん。工場で味わえる逸品です。
<干します>16:00
穏やかな日光と島風でゆっくりじっくり乾燥させます。そして、仕上げに室内の乾燥機に入れます。
<裁断します>18:00
干しあがった麺を、食べやすいようにカットして完成。翌日に把ねて箱詰めします。
<長期熟成させます>
長期熟成期間へ。夏のシーズンまで蔵でじっくりと熟成させます。この数ヶ月の静かな時間が「コシ」を生み、細く繊細な姿と、涼味満点の食感を育むのです。