京料理や精進料理の食材として知られる京湯葉は、
元来は中国から伝わったとされ、京名物の一つとして発達致しました。
千丸屋は、文化元年(1804)、初代・菱屋 忠次郎が現在地に創業。
二百余年、京湯葉づくり一筋に商いを続けてまいりました。
海に遠く、しかも寺社の多い京都におきまして、京湯葉は京料理や精進料理になくてはならない存在です。殊に滋味ゆたかな千丸屋の京湯葉は、各宗総本山御用達の栄に俗しています。
私どもが湯葉をつくる際には、原材料を厳選すること、
昔乍の技術を継承することはもちろんのこと、美味しいものをつくろうとする「気迫」を大切にしようと心掛けています。
お客様に「やはり千丸屋の湯葉は美味しい」と思って頂くためには、
そうした気迫が、味の差となって表れるのではないかと確信しております。
また、湯葉づくりは、長い伝統の上に成り立っているものではありますが、ただ古いものを守るだけでは進歩が止まってしまいます。
湯葉そのものの本質を変えるわけではなく、毎日の努力と工夫を
積み重ねることにより、その時代のお客様にご満足して頂ける湯葉を
つくらなければならないと考えております。