心を通わせる、これが明治蔵の基本的な考えです。
私たちはまず、麹やこうぼやもろみと心を通わせながら、焼酎を造っています。風や湿気や温度、季節の気象と心を通わせることも必要です。また蔵のかめ壺や木桶をはじめ、石の壁や床、羽目枝や古いままの小屋組みは、蔵の気と心を通わせています。蔵の建物も人も、百年前と心を通わせながら焼酎を造るのです。
皆様と心を通わせることも、大切なことです。どんな焼酎を人は味わいたがっているのだろう。どんな飲み方が、焼酎と人々の暮らしを、より深くより広くより楽しいものにするのだろう。そして焼酎以前のこと、焼酎以外のことを、私たちは皆様から学びます。
蔵を「見学」するのはもちろんですが、どうか「見楽」して下さい。展示コーナーには、思わず「うーん」、思わず「なるほど」、思わず「へぇぇ」と言ってしまう酒器や道具や文献がいっぱい。目だけでなく、五感で焼酎造りを感じて下さい。
こうして、少しでも多くの人が、焼酎というものと心を通わせれたらというのが私たちの考えであり、願いです。