2001年より「ひろしま牡蠣」というブランドに頼るだけでなく「日本で一つだけの最高の牡蠣を造ろう」という高い志の基に、牡蠣漁師として全国で初めて成功したシングルシードと呼ばれる手法を用いて、5年の歳月をかけて作り上げた牡蠣、それが「安芸の一粒」です。
人工採苗によるオリジナル・ブランド創出にあたり、2つの事にこだわりました。1つは、天然の親牡蠣を用いること。私たちは日本三景厳島神社、大鳥居の周りの干潟の岩に付着している天然の牡蠣を採取し、親牡蠣にしています。大野瀬戸の速い潮流と、大きな干満の差なかで、元気に健康に、しかもその中でも形や身の入りの良い天然牡蠣を親牡蠣として選りすぐりました。
もう1つのこだわりは、その干潟での養殖です。そもそも牡蠣の養殖は、海岸の岩石に牡蠣が自生するのを見て始まりました。現在のかき養殖は沖合いで行う筏垂下式養殖が主流となっていますが、石蒔き養殖に始まり、ヒビ建て式、地蒔き式へと推移した300年の間、牡蠣の養殖はすべて干潟で行われていたのです。広島湾の中でも大野瀬戸には、昔ながらの天然の干潟が数多く残っています。そこで養殖の原点に立ち帰り、より天然に近い、牡蠣が持つ本来のうま味を持った牡蠣を復活させることに成功しました。
この「安芸の一粒」は【殻付きかき】となります。天然干潟を利用した天然に近い生産手法のため、潮の干満差により太陽の日差しを直に受けて育っています。その分、通常の物より多少小粒の殻ですが、殻いっぱいにあふれんばかりに身が詰まった上に、風味、甘さ、旨みが凝縮されています。是非、私たちが「ひろしま牡蠣」の誇りと威厳をかけて作り上げた「安芸の一粒」をご賞味下さいませ。
ーー厳蠣(げんき)ーー
「安芸の一粒」の中でもさらに優秀な牡蠣を抽出して、生後数ヶ月で出荷する牡蠣を「厳蠣(げんき)」と命名しました。
卵から取り出し約6か月で、厳蠣(げんき)として出荷が始まり、ひと夏を耐え「安芸の一粒」と名前が変わります。厳蠣(げんき)として初出荷の11月は30グラム程度ですが、まだ産卵を経験していない厳蠣(げんき)はとてもミルキーな味わいで、ひと月、ひと月、成長とともに旨味も大人へと変わって行きます。これがバージンオイスター「厳蠣(げんき)」の特徴です。
今まで生産者しか知らなかった美味しさを、是非、味わってもらいたい思いで、育てています。市場に出回る事がごく稀なため「幻の牡蠣」とも呼ばれています。「安芸の一粒」よりもさらに小粒の【殻つき牡蠣】となりますが、バージンオイスターならではの、幻の凝縮した旨みをご賞味下さい。