「あご野焼」は、山陰地方の郷土料理として昔から親しまれています。
「出雲の地伝酒」を使うことで、ふっくらと焼け、歯触りも柔らかく、魚の生臭さを抑え、上品な味に仕上がります。旨味成分のグルコース、アミノ酸を多く含み、日本酒を使用した場合より、2倍〜3倍の旨味があると言われています。
あごとたらのすり身に出雲地伝酒をなじませ、香り豊かに焼き上げました。
この上品な味を是非ご賞味ください。
出雲地伝酒 出雲地方には、昔より「地伝酒」と呼ばれる独特の酒があります。もち米を主原料とし、醸造に使う米こうじの量は日本酒の約二倍。じっくり熟成させるので、その味わいはかなり濃厚。飲用はもちろんのこと、みりんの約半分の甘味・日本酒の三倍から五倍の旨味を特徴とするため、あご野焼はもとより島根の郷土料理には欠かせない調味料です。地伝酒を使ったあご野娩は、歯触りが柔らかく、味にふくらみがあります。地伝酒の成分が、魚の生臭さを消しながらも旨みを引き出します。昭和十八年を最後に、地伝酒の製造は二度途絶えますが、平成二年に復活。幻の味だったあご野焼は復元されることとなりました。以来、地伝酒も量産されるようになり、出雲地方独自の味の広がりに大きな役割を果たしています。