萱島酒造は明治6年創業の大分県の蔵元。
代表銘柄西の関は明治20年代に二代目当主が
西日本の代表酒になろうとの大きな望みと努力を
誓って命名したものです。初代来「品質主義」を標榜し、
創業百年を経過した時点で「品質一貫一世紀」
をキャッチフレーズに、時代の風潮や流行に流される事なく
「手造り」の良さと清酒本来の旨さを伝統手造り手法の
発展的継承を一番に考えた酒造りと行っています。
【西の関ができるまで】
・精米
酒造りの原料米は水稲うるち米です。
約450トンの玄米を使用し、約6割が大分県内で
とれるいわゆる地米、おもにヒノヒカリ、
残りは福岡、広島、兵庫等の酒造好適米、
八反錦、山田錦等です。精米によって約70%から
35%にまで磨きますが、1200kgを35%まで精米する場合、
60時間もの長い時間が必要です。一般に、
食卓にご飯として登場する米の精米歩
合いは90%ほどだと言われています。
・釜場
この工程では米を良く洗って水に浸し、
水切りをします。昔ながらの木製の甑(こしき)
という大きなセイロを使って蒸しあげます。
蒸す米の量は一釜750kgで、仕込みのピーク時には
一日に3トンから4トンの米が蒸しあげられます。
・麹室
蒸米に黄麹菌を植えて麹を造ります。
麹は酒母、もろみにいれることで米の澱粉を
糖化していく役割を果たします。
製麹期間2日。蓋麹、箱麹、床麹。
・酒母場
酒母は蒸米、水、麹に酵母を加えたもので、
もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したものです。
日本酒造りには、良い酵母が大量に必要ですから、
文字通り「酒の母」といえます。
・仕込蔵
日本酒造りの特徴である三段仕込がおこなわれます。
一日目は初添え。翌日は仕込みはお休み。
酵母はゆっくりと増えていき、これを踊りといいます。
三日目に中添えをし、四日目に留添えをして仕込みは終わり、
約20日間で搾りをします。
・槽場
20日ほどかけて発酵を終えたもろみは、
圧搾機で搾られ酒と酒粕に分けられます。
(搾り機=槽<ふね>、搾り落ちている口=槽口、
搾り始めの白濁した酒=荒走り、
搾った酒を採る甕=垂れ甕<たれがめ>)
・その後の過程
上槽-おり引き-ろ過-調合-火入れ殺菌-
原酒貯蔵-調合ろ過-割り水-火入れ殺菌-瓶詰め、
を経て出荷します。