明治40年。全国清酒品評会にて、かつて日本一に輝いた銘柄“龍勢”は、当時の最高ランクの原料米・雄町米を使用した生もと造りの純米酒でした。その栄誉から一世紀を経た今も、私たちが最高の酒を目指して造る純米大吟醸は、雄町生誕の地、高島地区の雄町米のみを使用し醸した生もとの純米酒です。
今の自分たちの限界に挑戦しようと、高精白に向かないとされる雄町米を
現代技術により40%まで磨きぬいて醸した酒。その酒を、真価が発揮できるまで熟成させた、今の自分たちが造れる最高峰の酒。その酒にのみ、私たちは創業者“善七”の名前を冠らせることにしました。
創業者への敬意をブランドとして酒にも自分たちの胸にも刻むためです。
技と精神を傾けて、蔵の力を結集して醸した酒。
それは、いわば私たちの蔵のGrand Cruです。
<龍勢 善七の味わい>
輝きのあるやや濃い目の琥珀色をした善七は、熟した洋ナシやびわのような香り。口に含むと、高島雄町が持つなめらかな旨味が広がり、ボリューム感のあるアルコールがお酒全体にふくらみを与えています。そして、収斂性のある酸味は長い余韻に続き、気高くエレガントな印象。しっかりとした熟成感と旨味の溢れる奥深さのある日本酒です。
冷酒グラス、またはバルーン型の大きな赤ワイングラスでお楽しみ下さい。最適な温度は14~18℃ほどですが、ぬる燗にすると、さらに香りが広がります。
<生もと造りの理由>
日本酒は、世界の酒類の中でも極めて高度な“並行複発酵”によって誕生する醸造酒です。中でも、微生物の力を借りて天然の乳酸を発生させ、健やかな酵母の働きを導く“生もと仕込み”は、時間も技術も労力も必要とされる高度な酒造技術。およそ二百年以上も前に考案された古来の技術ですが、その手間を惜しまぬ酒造りでしか得られない強い酒質と味わいの深さを大切に守りたいと考え、昔から変わらぬ伝統を現代の蔵の中でも貫いています。
生もとの酒の特質は、時間の経過に負けず、むしろ、豊かな味わいへと熟成していくこと。開栓後、空気と馴染んでいくにしたがい、よりふくらみのあるボディへと変化していきます。さらに経年による酒の変化は、視覚でも嗅覚でも味覚で感じ取ることができます。
日々変わる情緒を感じ、その"時"を楽しむことこそ本質。
それ故に龍勢 善七は生もとでなければならないのです。
(限定商品)