江戸時代、徳川家康はいかなる季節でも活きのいい魚を食べることを好みました。
当時の人びとは天候や潮具合に関係なく新鮮な魚を納めなければならず、冷凍、冷蔵保存の技術のなかったその時代では、 生簀にとれた魚を放しておいて、その都度すくいあげる方法を考えだしました。
その生簀の囲いに利用した木の枝に、偶然についたのが海苔でした。
徳川家康の贅沢な嗜好にこたえるための人びとの工夫が、海苔の養殖のきっかけを生み出したのです。
明治18年、創業者國光百次郎は、古きよき時代の味こだわり、吟味し選りすぐった海苔を市場に届けました。
生き生きとした伝統を守りつづける、頑固なまでの味へのこだわりが、「マルヒャクのり」を育てあげてきたのです。 わたしたちは、海からの恵みを損なわないように、魂をそそぎこんで一生懸命作りつづけることだけを考えてきました。
その間百十有余年、「マルヒャクのり」はたえず人びとに愛されつづけてきました。